Coco style WEDDING フリーウエディングプランナー荒井さやか・原田温子 北海道を拠点に、ケッコンシキの脚本家・翻訳家として活躍中!

CLICKルーツ「あの日、天職に呼ばれたのだと思う」ー 教師をめざしていた大学時代 ー

ルーツある日、荒井さやかは、その後の人生を決める不思議な体験をした。北海道教育大学教員養成課程の4年生になり、いつもの教室で講義を受けている時だった。
ところで、ウェディングプランナーは国家資格ではない。特に必要な学歴はなく、まして教員免許は要るわけがない。なぜ、荒井は「教育大学」に進学したのだろう?実は、高校時代の彼女の選択肢にウェディングプランナーはなかったのだ。なんの迷いもなく教師を目指し、着々とその道を歩んでいた。
それなのに、その日、ふとした疑問が荒井の頭をよぎった。「社会人経験も育児経験もない私たちが、人を育てることについて議論している。何か違わない?」講義中だというのに突然、自分だけ異空間に放り出されたような感覚に陥ったという。それを境に、彼女は惜しげもなく、教師への道を絶つ。そして、一般企業への就職活動をはじめたのだ。自分の強みを活かして社会に貢献できるのは、どの仕事なのか。調べて考え尽くして出会ったのが、「ウェディングプランナー」だった。知れば知るほど、天職だと確信したという。
一見すると、「教師」と「ウェディングプランナー」に共通点はない。ところが、荒井には似て見えたらしい。「教師は、子どもの現状を考えて授業を設計します。答えを教えるのではなく、質問を投げかけて答えを見つけさせる。ウェディングプランナーも同じ。答えは新郎新婦のなかにあって、私はカウンセリングでそれを引き出し、ふたりの理想の結婚式まで導くだけですから」と説明してくれた。そして、大学で学んだことは、プランニングに活きていると明かす。その一つが、授業の設計図のつくり方。その手法を応用して、「ケッコンシキの脚本」を書くのだという。「目的を設定して、一つのストーリーを完成させる。それは、授業も結婚式も同じですよ」と、荒井は微笑んだ。


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CLICKルーツ「いつか、映画音楽をつくりたい」 ー 作曲を学んだ少女時代、演劇に勤しんだ高校時代 ー

ルーツ荒井さやかが「ウェディングプランナーは天職」と信じたポイントは、「教師」以外にもあった。「音楽」と「演劇」である。「音楽も演劇も、短い時間のなかでシンデレラ曲線(起承転結、序破急)を描いて、鑑賞する人たちの琴線にふれるものを届けます。これまた、結婚式と同じですよね?」と、荒井は笑う。
荒井は、子どもの頃、音楽大学を志望していたほどの音楽好きだ。幼い時から楽器を演奏したり、作曲したりしていたという。音楽教室に通い、基礎から学んだ本格派だ。当時の彼女の夢は、映画音楽をつくること。壮大な映画音楽に憧れ、いつか自分も作曲したいと思っていた。16歳の時には、バッハ没後250周年記念のドイツ演奏旅行に参加している。日本からの選抜者は3名だけ。お稽古ごとのレベルをはるかに超えた実力である。音楽が大好きな少女は、高校生になって、演劇という新しい世界を知る。その時に演出を覚え、どんどん魅了されたという。演劇部で、女優としてキャスティングもされたが、彼女にとっては演出のほうがはるかに刺激的で魅力的だったのだ。その後、いろいろな経験を増やしながら、人を導く仕事がしたいと教師を目指すことになるが、音楽はずっと続けていた。大学生になるとバンド活動も始め、音楽の幅をさらに広げる。
こういった経験のすべてが、荒井の描く「ケッコンシキの脚本」と「音の指示書」の重要なファクターとなっているのだ。


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CLICKルーツ「じつは、結婚式に出席したことがない」 ー 荒井さやかの結婚観 ー

ルーツ「ウェディングプランナーになるまで、結婚式に出席したことがなかったんですよ」と、大きな目を輝かせた荒井さやかは話す。結婚式への憧れは特段なく、少女の頃から花嫁になることを夢みていたわけでもないらしい。その彼女が、多くの人たちを感動させる数々の結婚式を手がけてきたというのだから、ウェディングプランナーの仕事は奥が深い。
しかし、「答えは新郎新婦のなかにある」という荒井の言葉を思えば、納得がいく。新郎新婦の想いから出発する荒井流プランニングに、彼女自身の結婚式への思いは関係ないのだ。また、カウンセリングで得た情報を、新郎新婦の価値観に合うように組み合わせて結婚式という形にするため、アイデアが尽きることもないという。
結婚とは、お互いに歩み寄る部分を見つけていくもの、結婚式の準備とは、それを特に深く認識するもの。荒井はそう考えている。それに気づかせてくれたのは、新郎新婦たちだった。「担当したカップルさんはみんな、結婚式をしてもっと相手を好きになりましたとおっしゃいます。結婚式って、そのためにあるのかなと思ったんです」と、荒井がおしえてくれた。彼女のなかには、何組もの新郎新婦をサポートしてきたからこその結婚観が育っているようだ。


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CLICKルーツ「どうして聞いてくれないの?」 ー 荒井流カウンセリング誕生秘話 ー

ルーツウェディングプランナーとして働き始めた荒井さやかは、上司や先輩に仕事を教わりながら、自分なりの工夫を加えた。それが、会場プランナー時代の驚異的な成約率につながり、フリーランスとしての原点になっている。
どんな工夫をしたのだろう?他業種の接客を分析考察して、その結果を自分の接客に取り入れたというのだ。買い物をする時、荒井はいつも、来店理由を聞いてくれないのが不思議だったらしい。「店を訪ねる理由って必ずありますよね。そこに、お客さまの期待や要望が隠れているはずです。それを聞かないなんて、もったいない。それで、私は自分のお客さまに質問することにしたんです」と、荒井は言う。コロンブスの卵だ、言うは易く行うは難しだ。買い物をしている時に店員を観察して、自分の接客法を編み出すなど、たいていはできない。「科学の教師である父親の影響かもしれませんね。子どもの頃よく科学館に連れて行ってもらったのですが、そこで、見えている現象の理由や背景を考えました。分析する力が身についたのかもしれないですね」。 ウェディングプランナーとして、荒井の経歴は異色だ。そこから、独自のカウンセリングやプランニングの方法が生まれ、「ケッコンシキの脚本家」「ケッコンシキの翻訳家」として結実した。


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