「僕たちはただ、結婚式をしたのではない。ふたりで歩んでいく人生に向き合うことができた、大切な時間でした」
先日結婚式をされたおふたりからいただいた感想文です。
私たちプランナーが提供したものはあくまでも“結婚式”。にもかかわらず、「結婚式をしたのではない」とふたりはおっしゃるのです。
強くて意志を感じるこの言葉がなぜ生まれたのか、私はとっても解明したくなってしまいました。
「結婚式をなぜするんだろう?」
その答えにたどり着く1つの気づきとなればうれしいです。
見えない“らしさ”をカタチにする。
私たちCoco style WEDDINGが大切にしているブランドコピーです。
ホームページのトップ画面に書かれている言葉なので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
では、この“らしさ”とは一体何なのか。少し考えてみたいと思います。
振り返ると、結婚式は選択の連続です!
どんな会場にする?どんな衣裳にする?どんなアイテムを使う?
どんなブーケにする?誰を呼ぶ?どんな料理にする?
結婚式っていっぱい考えること、たくさんありますよねぇ。。。(遠い目)
決めるのは大変ですが、どれも結婚式を形作る大切な要素。
その積み上げで結婚式が出来上がるので、みなさんとっても(楽しいけれど)大変そうです。
では改めてここで…
私たちがいつも打合せでしている質問をしますね。
「あなたは“なぜ”、あなたの人生に結婚式が必要だと思いますか?」
結婚したらするものだと思っていたから…?
けじめのため…?
親のため…?
それぞれが「結婚式をしたい」と感じる想いはあっても、最初にご相談をいただく時間までに、この問いの明確な答えを持って相談にこられる方は、案外少ないように感じます。
もしかすると漠然とした答えなら浮かんでくるものはあるのではないでしょうか。漠然とした答えの輪郭を明確にしていくのは、それなりに大変です。
でも、私たちは知っています。
ふたりがたくさんの“なぜ”に諦めずに向き合い続ければ、いつのまにか《自分の本心に出会える》ということを。
だからこそ、私たちは選択の際に、何度も聞くのです。
「“なぜ”それらを選ぶのですか?」と。
私たちの考えるふたりらしい結婚式は、選択の結果を指しているのではなく、《目には見えない“ふたりが生きた人生”の中に詰まっている》と考えています。一瞬の“好きか嫌いか”の中にはありません。
一生後悔しない選択を、ふたりの人生である結婚式ではすべきだと、プランナーとして私たちは強く信じています。その答えを積み重ねて、ふたりの“らしさ”がカタチになっていく。
私たちが考える“らしさ”の答えとは、選択の連続ではなく、選択の理由の積み重ねなのです。
準備の過程で、私たちはふたりの価値観を知るためにたくさんの問いかけをさせていただきます。
例えば、「それは“なぜ”?」
この問いの中に、見えない本音が詰まっていると思うからです。これは実は、目的やゴールを見つけるためのコーチングのスキルでもあります。
コーチングという言葉は聞いたことがある方もそうじゃない方もいらっしゃるかと思うので、少し補足しますね。
「コーチ=Coach」そうです、あの有名なブランド名と同じです。あのロゴを思い出してほしいのですが…そうです!馬車が描かれています。
コーチ=導くという意味なんです!
私たちココスタイルのウエディングプランナーは「おふたりを必要な目的地に導いて差し上げたい」と思って、お話を伺っています。
最初はぼんやり霧の中の遠くに行きたい所があるような、ないような…わからない、どうしたらいいのか見えない…。
その気持ちを丁寧に紐解き、整理する。ふたりだけではたどり着かなかった目的地に、プランナーがそっと手を添えることでたどり着ける。
これがよく代表の荒井の言っている《コーチングスキル》です。“ふたりらしさ”を引き出す過程でとても大切なものだと考えているので、会社としてスタッフ全員が学ぶ機会もあるぐらいです。
「結婚式で、どんなことができますか?(過去の事例を教えてください)」
カップルさんからこう聞かれることは案外多いです。もちろん多くの結婚式を作ってきた私たちから、「こんなことをした方がいました」と過去のお客さま事例のHow toを答えることは簡単です。
でも、正解は他人の結婚式の中にはないと思うのです。
好みや求めるものをなんとなく感じとることはできても、おふたりの本心は、私たちにはわかりません。
わからないからこそ、私たちが言葉にするのではなく、おふたりが自分で言葉にすることに意味があると思っています。
正解がないからこそ、ただ目の前にあるものから選ぶのではなく、ふたりが心に問いかけて自分の力で答えを見つけていくこと。
私たちは結婚式の準備を通し、この部分を大事にしたいから、ふたりの心に問いかけて行きたいと思っています。
問いを重ねていく中で、“なんとなく好き”が、“だから好き”に繋がっていき、自分の人生レベルで大切なこと=価値観が深まっていきます。
人の価値観は、育った環境や自分の経験から形成されていくと言われています。
その中でも、人生で特に心が強く動いた経験は、どんなところにあるのか。
自分の人生で外せない出会いや体験は、どんなことだったのか。
どんな人に出会い、ここまで歩んできたのか。
こうしてふたりに語っていただくことで、ふたりの価値観を見つけるお手伝いをプランナーがしていきます。
問いかけの中で、自分に、そして人生に向き合う過程の中では、苦しい感情に出会うこともあるかもしれません。時には、あまり人には話してこなかった闇の部分に向き合うことも。
無意識に閉ざしていた気持ち、思い出したくない過去が目の前に浮かんできたとき、思いがけない感情が呼び起こされ、時に涙を流す方もいらっしゃいます。
涙を流すほど、心の奥底に触れるこの“人生ヒアリング”の時間が、結婚式のアイテムを選ぶ打合せ以上に、ふたりの人生を知りたい私たちがすごく大切にしていることなんです。
ふたりが結婚式を通し、自分の人生に本気で向き合う覚悟が生まれること。
それがおのずと、準備の段階からの、結婚式との向き合い方の深さに繋がっていくのです。
結婚式は、ふたりの人生から生まれるもの。
大好きな人が隣にいて、そして大切な人たちが祝福をしてくれる。
「おめでとう」と「ありがとう」が行き交う、とてもとても幸せな1日です。
ただなんとなく好きなものを選び、当日を迎えても、結婚式はきっと素敵な1日になると思います。
そのうえで私たちが届けたいものは、いい結婚式の1日ではなく、《ふたりの人生の土台作りとも言える時間》なのです。
「私たちは、こう在りたい。」
自分の意志を持って選んだことには、より深い想い入れが生まれます
こうして自分たちで大切なものを選び取っていく経験が、ふたりの自信につながり、これからふたりが歩んでいく道を作っていくのだと思います。
結婚式があったから、ふたりの未来がこうなった。
ふたりで歩んでいく未来に、自信と誇りを持つことができた。
あの日を振り返った時に、結婚式をした記憶ではなく、《何にも代えられないふたりの人生のきっかけ》を結婚式を通して届けていきたいんです。
ふたりが本当に大切なことを、大切にした結婚式。
そんな結婚式には、たくさんの真心とやさしさがたっぷり詰まっています。
そしてその場に立ち会うゲストには想いが届き、ふたりのこれからの人生を心から応援したいと思うことでしょう。
結婚式が、たった1日で終わるものではなく、ふたりの人生のエールとなるように。
私たちは結婚式を通し、《ふたりの未来》を描いていきたいと思っています。
これから出会うカップルさん。
ぜひふたりのこと、たくさんたくさん聴かせてくださいね。